自分の力で空を飛べる? サイエンスZERO
昼に食事をとりながらサイエンスZEROを観ました。
5/24に放送された内容の再放送で、カナダ/トロントで開発された人力ヘリコプターの紹介が面白かったのでまとめてみます。
シコルスキー人力ヘリコプター賞
アメリカヘリコプター協会によって1980年に設立された賞。
授賞条件は
- 1分間浮上し続ける。
- 少なくとも一度は機体最下部が地上3メートルに到達。
- その間、操縦席が10メートル四方の領域から出ない。
というもの。
賞金は25万ドルで、2013年にカナダ/トロントのチームによって達成されるまで受賞者はいなかったそうです。
成功のカギは「機体の大きさ」
条件達成のための基本的なアイデアは簡単で、機体を大きくすることで地面との距離を相対的に小さくしようというものです。
しかし、大きさと軽量化、操作性を同時に実現しなければならないので、技術的にはとてもチャレンジングなものであったと思います。
下の図は使用された機体「ATLAS」の大きさを旅客機、人と比較したもの。
Atlas: the Sikorsky prize-winning design — Aerovelo
この大きさで機体の全重量が55 kgというから驚きですね。
挑戦の歴史
4つの回転翼をもつ特徴的な構造は、日本人研究者の内藤晃さんによって考案され、機体「Yuri Ⅰ」に初めて採用されました(下図参照)。しかし「Yuri Ⅰ」の滞空記録は20秒で、地上3メートルにも到達しなかったため受賞には至りませんでした。
機体の大きさの変遷(下図)を見ていただくと「ATLAS」がいかに大きいかがわかると思います。
Atlas: the Sikorsky prize-winning design — Aerovelo
▼「ATLAS」が実際に飛行する映像
Atlas Human-Powered Helicopter - AHS Sikorsky ...